2013年11月24日日曜日

2013.11.23 中川淳一郎 『ウェブはバカと暇人のもの』

書名 ウェブはバカと暇人のもの
著者 中川淳一郎
発行所 光文社新書
発行年月日 2009.04.20
価格(税別) 760円

● 先日,著者の『ネットのバカ』を読んで,4年前に刊行された本書も読んでみたいものだと思った。だけども,宇都宮の本屋のいくつかをあたってみても,置いてなかった。最近は書籍の回転も速いから,4年前のものなんてなくなってしまうのが当然なのかと思った。
 が,東京に行く用事があったので,池袋の旭屋書店(東武百貨店7階)を覗いてみたら,さすが東京,ありましたよ。

● というわけで購入。帰りの車中で一気に読了。ぼく,読むスピードはどちらかというと遅い方だと思うんだけど,面白い本は速く読めるんですな。
 副題は「現場からのネット敗北宣言」。内容はもちろんタイトルのとおり。

● いくつか転載。
 集合知のすばらしさがネットの特徴として語られているが,せっせとネットに書き込みをする人々のなかには凡庸な人も多数含まれる。というか,そちらのほうが多いため,「集合愚」のほうがわたしにはしっくりくる(p17)
 ここまでいくつもの例を見てきてお察しのことだとは思うが,ネットにヘビーに書き込む人の像がおぼろげながら見えてきたのではないだろうか? 揚げ足とりが大好きで,怒りっぽく,自分とは関係ないくせに品行方正で,クレーマー気質、思考停止の脊髄反射ばかりで,異論を認めたがらない・・・・・・と,実にさまざまな特徴があるが,決定的な特徴は「暇人である」ということだ。(p58)
 この部分で例示されている具体的なケースを読むと,スーパーが貼りだしている「お客さまの声」を載せた模造紙を思いだす。だいたいは苦情,しかも重箱の隅をつつくようなもので,特定の人が何度も言っている。こんなものに対処させられる店員が気の毒だ。経営者はこの種の「お客さま」よりも自分の社員を大事にしろよ,と言いたくなるわけだ。
 ここ数年,役所でもパブリックコメントなるものが定着した感がある。あれもどんな意見があがっているのやら。まともな大人は忙しくて,そんなものにかかずらってる暇はないはずだが。
 この種のものは,だいたいにおいて「愚」か「狂」を集めてしまうものだろう。時間の無駄ではすまないものがある。

● さらに転載。
 重要な情報を持っている人は,その情報をわざわざネットに書かない。「なんで,客の前で話せばカネになることをわざわざネットで公開しなきゃならないんだよ」「つーか,書いてる暇があったら寝たいから」というのが理由だが,当然である。(p72)
● 次は企業に向けた提言。
 「オープンソースでプログラムを作る」などといった「頭の良い人」の世界では,Web2.0の概念が非常にしっくりきて,すばらしいプログラムの誕生へ役立つことだろう。だが,相手が暇つぶしの道具としてインターネットを使っている「普通の人」か「バカ」の場合,双方向性は運営当事者にとっては無駄である。(p92)
 ひょっとして,  ウェブは「バカと暇人」のもの,ではなく,「バカで暇な貧乏人」のもの,と言いたかったのではないか。

● 最後に著者は次のようにまとめる。
 もちろん,知的で生産性のあるコミュニティは存在するし,ネットを使ってさまざまなものを生み出している人はいる。だが,多くの人にとってネットは単に暇つぶしの多様化をもたらしただけだろう。(p241)

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