2014年2月21日金曜日

2014.02.20 アラン・ド・ボトン 『旅する哲学』

書名 旅する哲学
著者 アラン・ド・ボトン
訳者 安引 宏
発行所 集英社
発行年月日 2004.04.10
価格(税別) 2,700円

● 先日読んだ,永江 朗『ブックショップはワンダーランド』に紹介されていた本の中で,これならぼくにも読めるかもと思った数少ない中の1冊。
 が,ちょっと難しすぎたかも。

● 本書(の翻訳元)を書いたとき,著者はまだ30代だったか。若い知者のシニカル。これが過剰になるとかえって興ざめるんだけど,それがほどよい。

● 「椅子に座ったままでもじつに気分良く旅行できるというのに,じっさいに動き回ってどんないいことがあると言うんだ?」(ユイスマン『さかしま』から p19)といったあたりから始まる。
 さらに,「この世には期待するもののほかにどんなに多くのものが存在しているか,そのことをわたしたちはともすれば忘れがちになる」(p22)とか,「旅行の危険は,わたしたちが対象となる事物を,間違ったタイミングで見てしまうところにある」(p160)とか。

● でも,著者は実際にあっちやこっちに出かけている。
 特に面白かったのは,第八章「美を自分のものにするために」。ジョン・ラスキンを取りあげて,けっこう熱っぽく語る。ゴッホを取りあげた章もあり,芸術や美と旅の関わりを語って,本書は終わる。
 あらゆる写実的な絵画は,現実のさまざまな特徴のどれを際立たせるか,その選択を表している。(p243)
 風景は一度偉大な芸術家の眼をとおして見ると,わたしたちにとって,もっと魅力的になりうる。(p266)
 ● 154~155ページの見開きに,フンボルトの図版が掲載されているんだけど,度肝を抜かれましたね。開拓者の面目躍如っていうか。こりゃ,並みのこだわりじゃとてもできない。偏執狂という言葉が頭をよぎっていく。

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